Columnコラム

ジュニパーベリー眠気を覚ますようなキレ味と、森の中を思わせる静けさ、空間と体を浄化する癒しの精油

古くから薬用酒の原料として、今は世界的に飲まれるリキュールのジンの香りづけに使われているジュニパーベリー(Juniperus communis)。

眠気を覚ますようなキレ味と、森の中を思わせる静けさ、敏い賢者が好むような大人のほろ苦さが特徴の、ヒノキ科の実。決して人懐っこい香りでもなく、癒されるというには柔和さに欠ける香りですが、気分が疲れた時などは、そういった纏わりつくような馴々れしい香気より、気分を一掃してくれる香りを求めるものです。良い物も悪いものも、滞留してしまった状態を解放してくれる香り。身体を健やかに、美しく保つものとしてお肌の表層を整えるだけではなく、もう少し深いところにまでのアプローチを手助けをしてくれ、トリートメントオイルやハーブティーとしても昔からハーバリストに重宝されてきました。

ピンと張ったジュニパーの香りを、意識的にトリートメントオイルに使用したりすると内に溜めていたものが少し軽く、晴れやかになる気がします。

フレグランスに使用されるときには、こういった薬草的観点ではなく、都会的で洗練されたシャープさを香調にしたいときに使用します。

背筋を伸ばし、律している姿にセクシーさを感じさせる香水に多用される点では、サイプレス同様メンズフレグランスに使用されることが少なくありません。

香辛料やハーブとしての歴史も古く、古代ギリシアでジュニパーベリーは体力を高める食物として、ローマでは高価なブラックペッパーの代用品として使っていたとも言われています。

また肉体を浄化する薬草・消毒薬としても古代ギリシアから使用されており、ペストなどの感染症が流行した中世に多用されたハーブの一つでもあります。当時の医者はジュニパーベリーを煮出した液で使用する道具の消毒をしていたという逸話もあります。ギリシアやローマだけではなくアラブ圏でも消毒薬として使われていたことが分かっていますし、ユーゴスラビアでは「万能薬」として重宝されていた時期もあるのだとか。

…と言っても日本人にとって最も馴染みのあるジュニパーベリーの活用法としてはお酒「ジン」の香り付けではないでしょうか。11世紀頃から風味付けにジュニパーベリーを使ったお酒は存在していましたが、現在のジンの原型としては17世紀にオランダのライデン大学医学部教授が解熱・利尿用薬用酒が起原とされています。安くて強い酒というイメージの強いジンですが、元々は薬酒だったんですね。精油の香りもジンに似ていると紹介されることが多いですが、個人的にはジンよりも軽く、ウッディー感の中にグリーンシトラス感を含んでいるように感じられます。

心への効能

不安解消・リラックス効果・集中力を高める

そのさわやかな香りで私たちの心を浄化するといわれています。モヤモヤした頭の中をすっきりとさせ、集中力を高めます。何かに集中して取り組もうとしているときに。

体への効能

抗感染作用・抗菌作用・解毒作用・利尿作用・発汗作用・セルライト、肥満改善・抗肥満作用・抗炎症作用・油脂分泌抑制作用

利尿作用に優れ、体内に溜まった余分な水分や毒素の排出を助けます。ジュニパーベリーを使用したマッサージは、むくみやセルライトの予防・解消に効果的です。二日酔いにも効果あり。

肌への効能

皮脂分泌抑制作用・にきび肌の浄化作用・抗炎症作用

むくみの除去に役立つほか、ニキビや皮膚炎などのケアにも有効とされています。

精油のブレンド

香りの相性がいいブレンド

柑橘系、樹木系の香りと相性がいいです。

ハーブ系・・・クラリセージ 柑橘系・・・柑橘系全般 フローラル系・・・ラベンダー 樹木系・・・カユプテサイプレスユーカリ 樹脂系・・・エレミベンゾイン

ジュニパーベリーの使い方

精油(エッセンシャルオイル)としての使い方だけでなく、料理やハーブティーなど色々な用途で使うことのできるジュニパーベリー。今回は色々なジュニパーベリーの使い方をご紹介します。

精油(エッセンシャルオイル)

ジュニパーベリーの精油(エッセンシャルオイル)は森林を連想させるウッディ―で少しスパイシーさが加わった爽やかな香りが特徴です。

■アロマスプレー

浄化作用に優れているため、お部屋のアロマスプレーとしておすすめです。アロマスプレーを吹きかける事で森林浴をしている様な空気に変えることが出来ます。フランスの病院などでも、古くから空気の洗浄としてローズマリーと一緒に焚かれて来た事で有名です。

 ■アロマバス

アロマバスにも、全身浴、半身浴、足湯など様々な方法があります。デトックス効果の高いジュニパーベリーは、ダイエットなどにとても効果的です。全身浴、半身浴の場合は浴槽に湯をためて2~3滴エッセンシャルオイル(精油)を混ぜて入浴を楽しむと、発汗作用、むくみ解消、肩凝り解消、筋肉痛や腰痛防止などに効果的です。

ジュニパーベリー独特の香りに癒され、浴室の蒸気で芳香浴も出来るので癒されること間違いなしです。また、ニキビ改善やデオドラント効果もあるため体臭予防にも有効的です。ジュニパーベリーは少し刺激の強いエッセンシャルオイル(精油)なので、敏感肌の方などは使用に

■セルフアロママッサージ

ジュニパーベリーのエッセンシャルオイル(精油)はキャリアオイルに混ぜて使う事で、オリジナルのアロママッサージオイルを作ることが出来ます。キャリアオイルとは、スイートアーモンドオイルやグレープシードオイル、オリーブオイルなどの植物性のオイルです。

これをエッセンシャルオイル(精油)と混ぜ合わせることで、エッセンシャルオイル(精油)だけだと刺激の強すぎるオイルも使いやすくなります。マッサージ用のオイルはエッセンシャルオイル(精油)が濃度1%以下になるようにブレンドしましょう。

そのオイルを使い、リンパの流れに沿ってマッサージすることでより効果的なデトックス効果を得ることが出来ます。マッサージのポイントは、心臓に向かってマッサージしていくことです。強く圧をかけなくても優しくなでるように血管やリンパの流れを促してくれます。キャリアオイルとエッセンシャルオイル(精油)を使うことで、自宅でも簡単にセルフマッサージをする事が出来ますね。

ジュニパーベリーを使うときの注意点

デトックス効果や発汗作用、胃腸の働きを整えてくれるジュニパーベリーはとても刺激の強い植物です。使用する時は、妊娠中の方や腎臓疾患の方や長期の使用はおすすめできません。また、医師の処方を受けている方などは、医師やアロマセラピストなどに相談をしてアロマテラピーを楽しみましょう。

いかがでしょうか?浄化作用の高いジュニパーベリーは、ダイエットにもとても効果的です。香りを楽しむだけでなく、料理の中ではスパイスとして活躍してくれるジュニパーベリー。デトックス効果やデオドラント効果も高く、美容の面でも活躍してくれること間違いなしですね。ジュニパーベリーを使ってワンランク上のリラクゼーションタイムを楽しんでみませんか?

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