良い香りなだけではない!自律神経を整えるアロマテラピー
「現代女性がかかえている問題点の多くは心に関係しています」アロマエッセンシャルオイルとアロマテラピーとの出会い。そして精油の香りが自律神経に働きかける力に着目。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなり、日中は活動に適した交感神経が、夜は休息と回復に適した副交感神経が優位になる。不規則な生活や過度なストレスが続くとそのバランスが保てなくなり、体の機能が低下して“病気でないけれど優れない”状態になる、というのは多くの人が知っておられます。アロマテラピー が自律神経の乱れを正し、緊張でこわばった心と体をリラックスさせる効果を持つことに注目されています。
「自律神経の乱れは色々な不調のもとといわれています。免疫や女性ホルモンも関係するし、心と体の要ともいえます。イライラして、忙しくて呼吸が乱れているときなどに、何か即効性があるものを求める人も多いと思います。すぐに副交感神経に働きかけてくれる香りがあります。」
神聖な香りで心をすぐに落ち着かせる「フランキンセンス」。
「αピネンの含有率が高いフランキンセンス。森林浴すると心がリフレッシュしますよね? それと同じような効果があります。ルームスプレーやロールオンアロマ などで取り入れるのがおすすめです」
フランキンセンスが、自律神経の乱れの即効薬に。確かに、さまざまな文明の宗教儀式でも使われたその香りは、瞬時に心や体を浄化し神経を落ち着かせてくれます。
自分の好みで自分にあった香りの心地良さ”が自律神経に影響を与える傾向があります。
睡眠の質を上げリラックス効果のある「サンダルウッド 」。
体と心を休息・修復に導く副交感神経系の香りでフランキンセンスについでサンダルウッドもおすすめです。
「森の香りが好き! そして、サンダルウッドの香りは、不思議と日によって違う風に感じます」
その香りには強い森林浴効果があり、体をリラックスさせ鎮静させる作用や、血圧を下げ呼吸を深くゆっくりとさせる効果があるとも言われている。睡眠の質を改善させる働きがあることもわかっていて、寝つきをよくするとも言われており、平均7、8分早くなるというデータも。サンダルウッドの香りを入れたルームディフューザーを枕元に置いて深い眠りについてください。
副交感神経と交感神経の両方に働きかける「ネロリ 」。
副交感神経と交感神経にバランスよく効く、つまり鎮静と高揚作用の両方を持つのがネロリ。ミカン属の常緑樹ビターオレンジなどの柑橘類の木に咲く花から抽出される。ほとんどの人にとって非常に心地よい香りのため、最初に中枢神経を興奮させ、そしてすぐにリラックスへと導くという。美容効果としては、肌への保湿効果が高く、しわやたるみ解消に良いとされている。
「鎮静と高揚作用の両方があるなんてすごいですよね!
ネロリは、自律神経のバランスを整えるだけではなく、女性ホルモンのバランスが乱れて起こる心のゆらぎにも効果があるます。ネロリが含まれた香水を一つ持っておけば、心を落ち着かせたい時も高めたい時もサッと使えるそう。
「ものすごく甘くて重い香り。ネロリは女子力を高めるとも言われています。甘くても、もう少し爽やかなイメージ。また、ネロリは肌を柔らかにするから、ミストに使用するのもオススメです。
催淫作用で気分を高める「イランイラン」。
交感神経系の効果で注目したいのは、ネロリと同様に女性ホルモンに働きかけるとされるイランイラン。
女子力アップやセクシーな香りの代名詞として、思い浮かべる人も多いイランイラン。フィリピンやインドネシアなど熱帯地方を原産とするバンレイシ科の樹木だ。その精油は私たちの中枢神経に対し鎮静作用ではなく高揚作用を有し、香りの吸引によってうつ状態が軽減される可能性があるという。ただし、低濃度で使用するとリラックス作用も。その甘く優雅な香りから、女性用のフレグランスにもイランイランは多く使用されています。
やる気スイッチを入れる幸福の香り「グレープフルーツ」。
イランイランに加えて、交感神経系のケアとして取り入れたいのがグレープフルーツ。幸福感を感じさせる香りから、Paradisi(楽園の意味)という学名をもつ。樹高10mほどにも成長する大木で、白い星型の花を咲かせる。その精油はセルライトやニキビ肌、脂性肌の改善など美容効果も高い。
「グレープフルーツの果皮にも含まれるヌートカトンという成分が、交感神経を高める働きが強いんです。また、グレープフルーツダイエットというのが流行った通り、脂肪の分解を助ける作用もあります」(星野さん)
仕事のやる気がないときにグレープフルーツの香りをロールオンで取り入れれば、スイッチが入ることも期待できるそうです!
年度末を迎え、いつも以上にバタバタと過ごす日々。必要以上に焦りを感じたり、逆に疲れ切ってやる気が出なかったり……。そんなときに、今回紹介したアロマの力を借りて、ぜひリラックス&リフレッシュを。
「自律神経は自分の意識ではコントロールできない唯一の神経。だからこそ、植物が私たちの大きな助けになってくれます」また、私たちの生きる社会が自然から遠く離れてしまいアスファルトと鉄骨に囲まれた無機質な環境では“自然欠乏”になり、自律神経やホルモンバランスを乱し、心と体にさまざまなトラブルを生じていると思います。それに気づく人はいいですが、ほとんどの人がそれに気付かず老化していってます。都会に生きる人こそ、もっともっとアロマテラピーを取り入れてみてはいかがでしょうか?
あるいはこの春には少し遠出して森林浴を楽しみ、新生活に向かってアロマテラピーで自律神経を整えてリフレッシュしてください。
<芳香浴の方法1>
ディフューザーなどアロマ芳香器を使って、部屋に香りを拡散させます。精油の量は、ご使用の芳香器の説明書などを確認してください。
<芳香浴の方法2>
マグカップにお湯をはって、そこに精油を1~2滴垂らし、立ち上ってくる香りを吸い込みます。しばらくそのまま目を閉じて、ゆっくりと深い呼吸を繰り返しましょう。
<芳香浴の方法3>
ハンカチやコットン、ティッシュペーパーなどに精油を1~2滴垂らし、立ち上ってくる香りを吸い込みます。しばらくそのまま目を閉じて、ゆっくりと深い呼吸を繰り返しましょう。
アロマテラピーを楽しむコツ
精油を選ぶとき、大切なことが一つあります。
それは、「作用・効能に縛られすぎないこと」です。
ラベンダーには鎮静作用があり、副交感神経を優位にして、心身をリラックスさせ、安眠を促します。ですが、ラベンダーがあまり好きではないのに、無理して「眠れる香りはラベンダーだから」と使っても、逆効果になりかねません。また、気持ちは一定ではありませんので、昨日はいい香りだと思ったけど、今日はなんかちょっと違う…と感じることは、よくあります。
そこで無理して、「この症状にはこの香りって書いてあったから」と使うのではなく、心のままに、精油を一つ選んでみてください。きっとその精油が、今あなたの身体に必要な一本だということだと思います。
毎晩、一つの香りを選ぶ時間を取って、香りでストレスケアをしてみてくださいね。