柑橘系の果物や花の香りを嗅ぐと気持ちがリフレッシュした、という経験はありますか? 香りでリラックス効果を得られるアロマテラピーは、それに関連した資格なども設けられ、人気を呼んでいます。アロマの歴史は非常に古く、古代インドにおける医学書「アーユルヴェーダ」において香りについて言及がされている他、近世までの医科大学において、エッセンシャルオイルを用いたアロマテラピーが教えられてきました。それほど、香りは長い歴史の中でも人々から愛され、その効果が認められてきたのです。
そんなアロマの力は、勉強の能率が格段にアップする可能性を秘めています。今日はアロマを活用して勉強のパフォーマンスを向上させる方法を紹介していきます。
まずは、なぜアロマが勉強効率を上げれるかの理由
アロマ っていい匂いを嗅いでリフレッシュするだけのものとほとんどの方が思われています。
そもそもアロマを使うとなぜ効率よく勉強できるのか不思議に思いますよね。
ちゃんと科学的に証明されているので簡単に説明します。
例えばあなたがFlowerという英単語を覚えたとします。するとその単語が頭の中の海馬という場所に一時的に保管されます。
でも、この海馬に保管された知識は一定の時間が経ったら保管が終了し、外に放り出されてしまいます。これが人がものを忘れるメカニズムです。
覚えたことを三日もすれば忘れてしまう。これを短期記憶と呼ぶそうです。
でも受験に必要なのは短期記憶ではなく、時間が経っても頭に記憶される長期記憶です。じゃあどうやって記憶にちゃんと定着させる長期記憶をするのか。
その方法は単純で、海馬を定期的に刺激することです。アロマを通した香りは海馬を刺激するので、記憶力を向上させて長期記憶力を高めるわけです。
こうしたメカニズムによって、勉強中にアロマを使うと普段の時よりも記憶力が優れるので効率よく暗記できるんです。
アロマが持つ勉強にうれしい効果
空気中にアロマが放出されると鼻の奥の神経がその有効成分を感知し、脳内物質の分泌を促します。快楽物質として有名なドーパミンやセロトニン、さらには、脳内麻薬とも呼ばれる強力な作用を持つβーエンドルフィンまでも、アロマによって分泌が促されるのだといいます。効果は、主に以下の3つ。
1.集中力アップ
日本アロマ環境協会の行った実験によると、オレンジ・スイートの精油の香りを浴びてから計算問題を行った子供は、そうでない子供と比べて計算ミスが減少したそうです。また、アロマを取り入れている企業では、オフィスでアロマを焚いたところ、従業員のタイプミスが減少したとか。このことから、アロマには集中力を向上させることによって、ミスを防ぐ効果があるのだといえます。
2.記憶力アップ
ローズマリーの香りをかいだ被験者は、記憶力のテストにおいて、何も嗅いでない人よりもいい結果を残しました。これが香りによって気分が改善し、パフォーマンスが上がったこととは無関係という結果も出ています。まだ研究途上で不明な点も多いですが、アロマオイルに含まれる有効成分が記憶力を改善させることが判明しています。
3.気分のリフレッシュ
アロマのもっともよく知られた効果です。アロマテラピーを行うことによって、うつ病患者の症状が改善されることがわかっています。勉強をしていると、長時間机に向かったり、試験へのプレッシャーを感じたりすることから、自然とストレスが溜まってしまいますよね。アロマの効果により、ストレスで能率を下げることを予防することができるでしょう。
受験生にオススメのアロマ
やる気を出したいときはグレープフルーツ
よし!受験勉強を本格的に始めるぞ!
と思ってもやる気が出ないことってよくありますよね。
そんなときにオススメしたいのがグレープフルーツの香り。グレープフルーツは交感神経を刺激するので脳が活発になり、やる気もみなぎってきます。
勉強中だけでなく、朝起きた時にグレープフルーツの匂いをかぐと、交感神経優位になりシャキッと目を覚ますこともでき、正しい生活リズムにもつながります。
ただし、紫外線に反応してかゆみやシミを引き起こす光毒性をもっているので、肌についた状態で日光を浴びないようにしましょう。
記憶力を高めたいときはローズマリー
ローズマリーに含まれる1.8シオネールという成分が集中力を高めたり、脳の血流量を増やすので記憶力向上にも効果が期待できます。
また、英のノーザンブリア大学によると、ローズマリーを嗅いだ人の方が長期的な記憶力が70%近く上がっていたそうです。
他にも、記憶力を競う記憶力日本選手権大会で4回も優勝している池田義博さんも、ものを覚える時にローズマリーを使っているそう。
暗記力が優れている人がオススメしてるくらいですから、間違いなさそうです。
眠いときはペパーミント
清涼感のあるミントの香りは、勉強中に頭がぼんやりとした時の気分転換だったり眠気さましに効果的です。プロ野球選手が試合中にガムを噛んでいるのをみたことがあるでしょうか?あれは、ミント味のガムを噛むことでメントールという成分が脳を活性化して集中力を高めたり、眠気を覚ます役割があるんです。
集中したいときはユーカリ
模試が近づいていたり暗記する量が多いときはユーカリを使ってみましょう。ユーカリは覚醒効果があり頭をスッキリさせて集中力を高めてくれます。
また、抗菌作用もあるので受験シーズンなど風邪をどうしても引けないときは風邪予防になるのでオススメです。風邪を引いてパフォーマンスが低下しないように、直前期はユーカリがおすすめです。
疲れたときは爽やかな香りのレモン
レモンの爽やかな香りはリフレッシュ効果が高く、疲れを軽減して作業効率の低下を防ぐ効果もあります。とある会社でレモンの香りを使ったところ、タイプミスが65%も減ったという研究結果があるくらいです。
レモンは記憶の保管庫である海馬を刺激して活性化するので、記憶力の向上にも期待できる勉強に適した香りです。
ただし、グレープフルーツの時と同じで光毒性があるので、皮膚に浴びた後に日光を浴びないようにしましょう。
おすすめの使い方
アロマオイルは、アロマポットやアロマディフューザ以外にも使用方法があります。また、香りの種類によってその効果は様々なので、その日のコンディションや期待する効果に合わせた香りを選ぶことが大事です。
●ノートに精油を垂らす よく使うノートにアロマオイルを一滴垂らしましょう。そうすることで、道具を使わずともアロマの効果を得ながら勉強することができます。
●起き抜けにペパーミントのアロマを焚く 眠気覚ましにぴったりなのがペパーミント。交感神経を刺激し、気持ちをシャキッとさせる効果があります。朝に弱く、午前中にぼんやりしてしまいがちという人でも、アロマの力を借りれば朝からパフォーマンスを上げることができます。また、ぐっすり眠りたい時には、オレンジ・スイートやラベンダーがおすすめです。
●エアコンの羽にオイルを直接塗る アロマディフューザなどを持っていないという人でもできるアロマテラピーです。アロマオイルをティッシュに何滴か垂らし、それをそのままエアコンの羽の部分に塗りましょう。その状態でエアコンを起動すると、風によってオイルが揮発し、部屋に香りが広がります。扇風機の羽に塗っても同じ効果が得られます。
アロマの選び方
アロマオイルがきちんとした効果を持つのは、植物から抽出した純粋な物に限ります。香料や溶剤を使った粗悪品では、アロマがもたらす効果が期待できないだけでなく、体に悪影響が出かねません。しっかりと成分を確認してから購入しましょう。
いかがでしたか? アロマを使うと実際に毎日が気持ちよく過ごせますよ。みなさんもぜひ試してみてください。