心と体のバランスを整える、グリーンフローラルの香り
ゼラニウムは200種類以上の種類があるといわれる多年草の植物で、ピンク色の美しい花を咲かせます。観賞用として広く親しまれており、世界各地で栽培されています。そのなかで精油が抽出される種類のものはローズのような香りがすることからも、「ローズゼラニウム」と呼ばれています。華やかなローズを思わせる香りは女性からの人気が高く、化粧品やヘアケアの香料としても使われています。テンジクアオイ、ニオイゼラニウムなど、別名でも親しまれる香りです。花壇や街路樹でよく見かけるゼラニウム。日本ではとてもポピュラーな花です。楽しめるのは花だけでなく、香りもとっても良いのが魅力で、様々な効果や活用法があります。今回は、そんなゼラニウムの効能・効果的な活用法・注意点をお伝えします。
1)ゼラニウムの紹介
(1)ゼラニウムとは
ゼラニウムは、咲き方や形の違う様々な品種があります。 また、真夏と真冬以外はお花を楽しむことができます。花言葉は、「真の友情」「尊敬」「信頼」など。その他、色別にもそれぞれ花言葉がありますので、贈り物にする時にはぜひチェックしてみてくださいね。
(2)科目・原産地
フウロソウ科に属する植物です。原産地は主に南アフリカとされています。
(3)草丈・開花期
草丈は20cm~70cmに成長します。開花期は4月~11月です。
(4)名前の由来
ゼラニウムは現在、ペラルゴニウム属に分類されていますが、以前は「ゼラニウム属」に分類されていました。その名残で「ゼラニウム」という名が付いたと考えられています。ギリシャ語の「ゼラノス(鶴の意味)」を語源とされ、花の後の果実が鶴のクチバシに似ていることが由来とされています。
2)ゼラニウムに含まれる代表的な3つの成分とは
(1) シトロネロール
バラの香りを持つ成分で、ゼラニウムの香りを作り出す素となっています。
(2) ゲラニオール
バラに似た香りを持つ成分です。ゼラニウムの香りの素となっています。
(3) リナロール
ズズランに似た香りを持つ成分です。ゼラニウムの香りを作り出す素となっています。
3) ゼラニウムに期待できる5大効能とは
(1) 自律神経を調整する効果
ゼラニウムの香りには、副腎や視床下部に働きかけ、自律神経を調節する効果があります。ストレスによる緊張を緩め、不安やイライラを静め、リラックスさせてくれます。更に、前向きな気持ちにさせてくれ、心と体のバランスを整えてくれます。そのため、精神疾患や、更年期障害にも効果があります。
(2) ホルモンバランスを調整する効果
ゼラニウムの香りには、ホルモンの分泌を調整する効果もあります。そのため、女性特有の生理不順や、月経前症候群(PMS)、生理痛の改善が期待できます。
(3) 血糖値を下げる効果
ゼラニウムの精油には、血糖値を下げる効果があります。これは、ゼラニウムの香りで体がリラックス状態になることと関係しているようです。そのため、糖尿病に効果があります。
(4) 美肌効果
ゼラニウムの精油は、皮脂バランスを調整する働きをします。肌に潤いを与え、シミやシワの予防、肌の若返りなどに効果があります。血行を良くする効果もあり、顔色が良くなります。
(5) 虫よけ効果
蚊はゼラニウムの香りが苦手です。そのため、虫よけの効果があります。
4) ゼラニウムの5つの種類と特徴
ゼラニウムは現在、500種類以上の品種が存在しています。ここでは、人気があるゼラニウムの品種をご紹介します。
(1) アップルゼラニウム
細長く白色の花びらと、緑色で長い葉っぱが特徴です。香りがリンゴに似ていることからこの名が付きました。
(2) アメリカーナ・ピンクメガスプラッシュ
名前にインパクトのあるこの花は、その名の通り、大きなピンク色の花を咲かせます。一重咲きで、花の真ん中近くが濃いピンク色をしているのが特徴です。寒さに弱いので、育てるときは注意しましょう。
(3) ホワイトムロキング
真っ白な花を八重咲きのバラのように咲かせるのが特徴です。その見た目がとても可愛らしいため、人気がある品種です。
(4) トスカ・ライトピンク
中心が白に近い薄ピンクで、その周りが濃いピンク色をした花びらが特徴です。オランダのPvdHaak社が創った品種で、この名が付きました。
(5) プリメシャス・レッド
一重咲きで真っ赤な花びらが特徴です。ゼラニウムの香りがほとんどしないため、香りが苦手な方にオススメの品種です。
5) ゼラニウムの効果的な4つの活用法とは
(1) サシェやポプリにする
葉を乾燥させ、サシェやポプリに活用しましょう。香りを楽しめるうえに、虫よけの効果も同時に得られます。葉は乾燥させると色が悪くなってしまうので、化繊綿と一緒にクッションにつめるのもおススメです。
(2) 料理やお茶にする
葉は美味しくないため、食用には向きません。しかし、香りがとても良いため、お茶や料理、お菓子の香付けに活用しましょう。花は生のままサラダに使用できる、エディブルフラワーになります。
(3) 入浴剤にする
葉を生のままお風呂に入れ、入浴剤として活用しましょう。美肌効果・リラックス効果を得られます。
(4) フェイシャルスチームに利用する
ゼラニウムの葉をフェイシャルスチームに活用しましょう。ボウルにゼラニウムの葉を生のまま入れ、そこに熱湯を注ぎます。蒸気が立ったら、顔を近づけ、バスタオルを頭から覆いましょう。
ゼラニウムの成分を含んだ蒸気が、お肌をイキイキとさせてくれます。また、リラックス効果やリフレッシュ効果もあります。5分ほどで効果が得られるでしょう。なお、火傷には十分な注意が必要です。
6) ゼラニウムと相性の合う4つのアロマ
ゼラニウムは重ための香りです。そのため下記のような、爽やかな香りと相性が良いとされています。
(1) ペパーミント
(2) グレープフルーツ
(3) ベルガモット
(4) ラベンダー
甘く華やかな香りで、女性らしい印象の香りブレンドにおすすめです。ラベンダーなどフローラルな印象を持つ香りとブレンドすることで、よりフローラルで濃厚なリラックス系の香りにしたり、木質系や樹脂などの香りで、心を落ち着かせる落ち着いた印象のブレンドに仕上げたり。少量をブレンドに加えるだけで、香りにコクや艶やかさを出すため、その華やかさを存分に楽しみたい香りです。
ゼラニウムの効果効能は?
ゼラニウムは、視床下部や副腎に働きかけて、ホルモン分泌や自律神経のバランスを調整してくれます。生理に関わるさまざまな不調など、婦人科系の症状をサポート。また、イライラしたり落ち込んだり、緊張や不安を和らげて、気分を明るくしてくれます。
成分は、産地により含有量が異なりますが、ローズと同じ芳香成分であるゲラニオールやシトロネロールなどを多く含んでおり、心身のバランスを調整してくれます。また、シトロネロールは蚊が嫌う香りでもあり、昆虫忌避作用も期待できます。
心への影響
女性らしさを取り戻したいとき、女性らしさを意識したいときに。自律神経の乱れを整えることで、気持ちを穏やかに優しくしてくれます。華やかで優雅な香りを嗅ぐと、心が穏やかに整っていきます。香りとともに、仕事や家事で忙しくて、失いがちな自分らしさや女性らしさにも目を向けてみてください。
身体への影響
ホルモンバランスを整える作用に優れ、月経前緊張症、生理痛、更年期障害などの症状に働きかけます。また、収れん作用などにより皮脂バランスを整えていくため、スキンケアにも多く用いられています。しみやしわ、アンチエイジングなど、こちらも女性に愛される理由のひとつです。
使用する際の注意点は?
濃度が濃く重い香りのため、使用量に注意が必要です。少量でもその華やかさは存在感を持っているため、ブレンドする際には、少量からがおすすめです。
個人的に華やかな香りやその効果を楽しみたい場合はいいですが、フローラルな香りが苦手な男性や子供が多くいるような場所で使う際には、薄く香りを広げたり、ブレンドする精油を選ぶなど、周りに配慮も忘れずに。ユーカリやペパーミント、グレープフルーツなどに少量だけブレンドすると、爽やかでなじみやすい印象になります。