毎年やってくるインフルエンザの季節。アメリカでは何と1,2万人もの犠牲者が出ているそうですね。感染してしまうと会社や学校を長期で休んだり、家事や育児に専念できなかったりと、ルーティンが崩れて大変ですよね。厚生労働省は感染を防ぐポイントとして「手洗い」「マスク着用」「咳エチケット」の3つを推奨し、自分の体内にウイルスを侵入させない、周囲にうつさないことを呼びかけています。それ以外にも、予防接種を受ける、人混みは避けるといった対策をとっている人もいるでしょう。
そうした基本の予防策をさらに手助けする、アロマテラピーをご紹介。ビジネスパーソンや受験生はもちろん、小さな子どもから高齢の方でも簡単に使える活用術をご紹介いたします、
私たちの最大の願いは病気をしないで健康に暮せることではないでしょうか。私たちの体は常に外敵から攻撃されているといえます。ウイルスや、体内の細胞が突然変異を起こして発生するガンもそうです。このような外敵から体を守り、病気になるのを防いだり、かかった病気を治そうとするのが「免疫力」です。体内で免疫力をつかさどっているのは、血液中の白血球です。
このように免疫力は、私たちの体にとってすばらしい働きがあるのですが、免疫力には弱点があります。簡単にいうとストレスです。
悩みや心配などの精神的ストレスが自律神経のバランスを乱し、免疫力が低下すると考えられています。
病気と戦ってくれる免疫力をUPさせるには
ストレスの多い人は、副交感神経を刺激して優位に保っておくことが大事です。
植物のパワーを濃縮したアロマエッセンシャルオイルを使って副交感神経を優位にしてください。
副交感神経とは、夜や休息時に働く神経、血管を広げ血流を促し、心身をリラックス状態にする働きがあります。
緊張したり、興奮したりすると交感神経が優位になり心臓の拍動を高め、血圧を上昇させます。通常はこの二つの神経がバランスを取っているのですが、ストレスや過労などで自律神経が乱れると白血球にも悪影響が及ぶのです。ですから、やや副交感神経を優位に保っておくことが免疫力アップにはよいと考えられています。
(1)副交感神経を優位にするには
A)適度な運動をする
B) 深呼吸をする
C) 食事をゆっくりよく噛んで食べる
D) ぬるめのお風呂につかり体をあたため血流を良くする
E) 精油(エッセンシャルオイル)を使い芳香浴やアロマトリートメントをする。
副交感神経が優位になると、リンパ球が増えて免疫力が向上します。ただし、増えすぎは免疫過剰で問題です。とはいえ、現代のストレス社会は交感神経が優位になりやすく、免疫力の低下につながっていると考えられます。
(2)免疫力を高める食品をとる
免疫力を高める食品といわれているのが、食物繊維が多い食品、抗酸化食品です。腸内の環境がよいと免疫力がアップすることは明らかになっています。腸は病原菌などが腸壁から侵入するのを防ぐ免疫細胞が多く集まっているので腸内の善玉菌を優位にするために食物繊維の多い食品や、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的にとることです。
積極的にとりたい食品
玄米・野菜・きのこ類・バナナ・緑茶・ココア・りんご・ヨーグルト・納豆 など
(3)ストレス過剰にならない
現代社会において、ストレスはつきものです。そのストレスをうまく発散させること、といってもそれが簡単にできれば言うことないのですが、ストレスが強いと、交感神経が優位になるので、免疫力が弱まると考えて下さい。
副交感神経を優位にさせるとストレスが弱まり、免疫力がUPすると考えれば良いわけです。
免疫力アップにアロマテラピーって?どんな作用があるの?
古くから人間は、植物を薬草として食べたり、塗ったりして傷や病気を治すのに役立ててきました。今では研究が進み、植物から抽出した香り成分(精油・エッセンシャルオイル)を、心身トラブルの回復や健康、美容に役立てる「アロマテラピー」と呼ばれる芳香療法が確立しています。
リラクゼーションのために使われるイメージが強い“アロマ”ですが、実はその医学的な作用は常に研究対象であり、国内でも医学の現場で活用が検討され始めています。フランスやベルギーでは、すでに代替・補完医療としてのアロマセラピー「メディカルアロマセラピー」の活用が活発です。
新型肺炎・インフルエンザ予防におすすめの精油3種
「インフルエンザの予防におすすめしたいのは、『抗ウイルス』『免疫力アップ』『喉や鼻の状態を整える』作用が期待できる精油です。300種以上あるといわれる中から、選りすぐりの3本を選びました。
1つ目はティートリーで自生地がオーストラリアの植物。抗菌・抗ウイルスのスター的存在で、感染症予防に効果的な精油として用いられています。
2つ目はアロマを使ったことのある人なら誰もが知る『ユーカリ』ですが、今回ご紹介したいのは中でも『ユーカリ・ラディアタ』という種類。幼児や高齢者も安心して使える穏やかなもので、風邪やインフルエンザ予防によく使用されています。ウイルスに感染しないためには、喉や鼻を健康な状態に保つのがベスト。この精油は気管支系を整える作用が期待されています。
3つ目の『ラヴィンツァラ』は、ティートリーとユーカリ・ラディアタを一緒に合わせたような、便利な精油です。どれか一つを選ぶなら、この一本でいいかもしれません。精油の中で免疫力を上げる力が一番強く、『ユーカリ・ラディアタ』同様、幼児から高齢者まで安心して使うことができます。
ティートリー
抗ウイルス、抗菌
免疫力アップを助ける
ユーカリ・ラディアタ
喉や鼻の状態を整える
ラヴィンツァラ
抗ウイルス、抗菌
免疫力アップを助ける
喉や鼻の状態を整える
仕事中でもOK!精油の簡単な使い方
精油の使い方はさまざまありますが、今回は忙しいビジネスパーソンでも気軽に使える方法をご紹介しましょう。マスクを着ける方が多いこの時期のおすすめは、マスクの内側に精油を1滴たらしてから着用するという簡単なもの。香りを一番近くで感じるため効果的ですし、気分もリフレッシュします。もし、香りがきついと感じる場合は、普段使っているハンドクリームなどに1~2滴精油を混ぜて使うのもおすすめです。
また、もっともシンプルなのは精油をそのまま持ち歩き、匂いを嗅ぐこと。それだけでいいの?と思われるかもしれませんが、アロマテラピーとは『芳香療法』なので、香り成分そのものに作用があるといわれています。ポケットから精油を取り出して香りを嗅ぐだけでもOKです。
時間がある人はマッサージオイルを作るのもいいでしょう。ホホバオイルやアーモンドオイルといったキャリアオイルを購入し、精油を混ぜるだけ。オイルで希釈するため、香りや作用が穏やかになります。喉や体全体のマッサージに使えますし、湯船にマッサージオイルを小さじ1程度入れれば、オイルが肌を保湿してくれるのでおすすめです。オイルの作り方は簡単なので、ぜひ試してみてください。
精油の使い方まとめ
- マスクに1滴たらす。
- ハンドクリームに数滴をなじませる。
- 一番シンプル!匂いを嗅ぐ。
- マッサージオイルを作り、喉や鼻まわり、体全体に塗る。
- マッサージオイルを小さじ1程度、湯船に入れる。
「嗅覚は、自律神経の司令塔である視床下部にダイレクトに伝わるため、自律神経の調整に役立ちます。副腎や腎臓の交感神経を落ち着かせることが科学的に証明されているラベンダーもおすすめ。血圧と体温が下がり、寝入りがスムーズになります。植物のパワーが詰まったアロマで免疫力アップしましょう。