香りで脳を刺激することで癒しをもたらすアロマテラピー。人間の身体は交感神経と副交感神経という2種類の自律神経で成り立っていますが、香りの力で脳や身体をリラックスさせ、眠りに入りやすい副交感神経が優位な状態を作り出すことができます。日々の疲れを取るために最も大切なことは、なんといっても睡眠です。しかし「きちんと睡眠をとっているのに疲れが取れない!」と感じている人もいるはず。その場合は、疲労回復につながる質の良い睡眠をとれていない可能性があります。
睡眠の質を上げるためにはストレスによって緊張した心身を就寝前にリラックスさせておく必要がありますが、おすすめは天然アロマを活用したリラックス法です。今回はリラックスできるアロマの香りやアイテムを具体的に紹介します
アロマでリラックスできる理由は?
鼻から吸収されたアロマの芳香成分は電気信号へと変化し、脳の大脳辺縁系、視床下部、下垂体などの器官へ伝達されます。視床下部は、自律神経やホルモンのバランスを司る非常に重要な器官です。アロマの香りが視床下部に直接働きかけることで、自律神経のバランスが整い副交感神経が優位になります。それによって身体の緊張がほぐれ、気持ちが落ち着き、心身ともにリラックスできるのです。一方、大脳辺縁系は記憶を司る「海馬」や感情を司る「扁桃体」などで構成されています。香りを嗅いだときに、その香り関わる懐かしい記憶がふと蘇るのには海馬の働きが関係しているといわれています。扁桃体は「快・不快」などの感情を司ります。アロマの香りが扁桃体にダイレクトに伝わることによって、私たちは安らぎや心地良さを感じるのです。
質の良い睡眠をもたらす精油
精油(エッセンシャルオイル)には実にさまざまな種類があり、1種の精油の中にもあらゆる効果効能があります。その中でも睡眠の質を上げるのにとても良いリラックス効果の高い精油をいくつかご紹介します!
ラベンダー
数あるアロマの中でも人気の高いラベンダー。フローラルで優雅な香りが女性に人気です。緊張やストレスを和らげ、気持ちを落ち着かせてくれます。
ベルガモット
オレンジに少し似ている、柑橘系のフルーティーな香りが特徴のベルガモット。紅茶の香りとしてもお馴染みです。リラックスとリフレッシュ、両方の効果を持つといわれています。
ネロリ
ビターオレンジの花から抽出されたネロリは、優雅でフローラルな香りが特徴です。不安なときや気分が沈んでいるときなどに嗅ぐと、心が癒されるそうです。
サンダルウッド
エキゾチックな香りが特徴のネロリはお香にも使われており、日本人には馴染み深い香りです。不安を払拭し心安らかにしてくれます。
深い眠りにつけるラベンダーブレンド
眠りにいた一番効果のあるラベンダーをアレンジして、アロマブレンドをつくってみましょう。眠りのタイプ別におすすめをご紹介していきます。
※数字はブレンドの割合(比率)です。滴またはmlなど使用方法にあわせてお使いください。
頭が覚醒してなかなか眠りにつけない方へ
ベッドに入ってもなんだか眠れない。仕事も気になるし、携帯やスマホを寝る直前まで見てしまう。1日中忙しく働いた頭を休め、眠りモードへと心身を促すためのスーッと脳に届くすっきりした香りブレンド。
ラベンダー 5
ユーカリ・グロブルス 3
ジュニパー 2
明日の予定が待ち遠しい気持ちで眠りたい方へ
眠りは美容のためにも大切な時間。どうせならいい夢を見たいし、眠っている時も幸せでいたい。ぐっすり朝まで目を覚ましたくない。
華やかなお花に包まれたように、幸せに満ちた充実の眠りを楽しむための優しい香りブレンド。
ラベンダー 6
カモミール 1
ベルガモット 3
穏やかな眠りの時間を過ごしたい方へ
眠りは、自分自身と向き合う大切な時間。森の中にいるように、自然な香りに包まれて、ゆったりと心地よく過ごしたい。
すっと体に染み入るような、木や大地をおもわせるような雄大で穏やかな香りブレンド
ラベンダー 5
ホワイトサイプレス 3
シダーウッド 2
人は睡眠中にも脳が香りに反応するので、 脳や身体をリラックスさせ、更にはセロトニンの分泌を促す力があるアロマは自律神経を正常にするのに非常に有効です。
体にやさしく、ホルモンバランスを整える
更年期の不眠は女性ホルモンと関係しています。アロマテラピーでは、女性ホルモンと似た働きをする精油があり、その植物の力を借りて、ホルモンバランスを整えます。自然の力で悩みを和らげる、体にやさしいケアなのです。
疲労回復、美肌などのうれしい効果も
アロマには、疲労回復やイライラの解消、さらには美肌など、オトナにうれしい効果を持つものもあります。悩みや効能に合わせて、自分にぴったりのものを選んで取り入れてみてください。
ディフューザーがなくても、気軽にできる
精油1本があれば、特別な道具がなくても、ハンカチやマグカップ、洗面器など、自宅にあるものを使ってできるので、さっそく試してみてください。
アロママグカップ
マグカップにお湯を入れてレンジで1分ほど温めます。お湯に好みの精油を2滴ほど垂らして香りを拡散。その水蒸気を吸って香りを楽しみます。お湯が冷めたら終わりどきです。
アロマフットバス
洗面器に40~42度くらいの湯をはり、精油を2~3滴垂らします。ゆったりと椅子に座って10~15分ほど足浴を。香りの効果に加えて、足から全身が温まってリラックスできますよ。
アロマバス
精油3~5滴を天然塩20~30gに入れてよく混ぜ、それを浴槽にはったお湯に入れてよくかき混ぜてから入浴します。全身がほどよく温まって寝つきがよくなります。
アロマ温湿布
肩こりや膝、腰の痛みなどで寝付けない時に。濡らした小さめのタオルをビニール袋に入れ、レンジで30秒ほど加熱。ビニールに入れたままの熱いタオルに精油を2滴ほど垂らしてタオルを出し、熱すぎない温度になったら凝りや痛みの気になる部分を温めます。
熟睡できると日中のパフォーマンスが向上
質の良い睡眠で心身ともに疲れをとる事ができます。
それにより、記憶力の回復や、やる気が出たり眠気に悩まされにくくなります。
また、肌荒れの改善など、外見にもその効果は現れてくるでしょう。
睡眠時のオススメアロマ グッズ
アロマストーン
アロマストーンとは、ストーンにアロマオイルを2~3滴垂らして、アロマの香りを楽しむものです。香りの立ち方が穏やかで、火や電力を使わないので、寝る前の枕元などに置いて使用するのに最適です。
陶器製のアロマポット
素焼きした陶器にアロマオイルを数滴染み込ませ、自然に芳香させるというものです。ろうそくや火を使用しなくてもいいので、手軽に楽しむことが出来ます。
木製のアロマポット
木製のアロマポットをゆらゆらと揺らすことで、アロマの香りを部屋中に漂わせるというものです。火や電力を使用する必要はなく、睡眠中も安心して置いておくことができます。
「好きな香りに包まれていい夢を見ましょう」