「オレンジフラワー」ともよばれるネロリは、非常に品種の多いミカン科の植物の中でも特に「ビターオレンジ」の花から採られる精油を指します。
ビターオレンジの果実は苦みが強く食用には適していませんが、香りの良さから花からはネロリ、枝からはプチグレン、果皮からはビターオレンジの精油がとられ、香料として余すところ無く活用されています。ネロリの香りは、オレンジのような明るいさわやかさと花精油ならではの華やかさを合わせ持つ非常に魅力的な香りです。オレンジの親しみやすく明るい香りの印象を髣髴とさせながらも、ぐっとやわらかく、上品にした香りです。一度感じると印象的で忘れられないようなほのかな青みがアクセントになっています。
1kgの花から僅か1gしか精油が抽出できない上、栽培に時間がかかるため、ローズやジャスミンと並んで希少な精油の一つと言われています。
「ネロリ」と言う名前は、17世紀のイタリア、ネロラ公国の王妃アンナ・マリアがこの香りを愛したことが由来しています。当時ネロリの香りはパリ社交界で大流行し、皮手袋や手紙の香り付けや、入浴時にも使用されたそうです。
こんな時にオススメ
心配やショックなどで悲しみから抜け出せないとき。リラックスしながら心が穏やかになりたいとき。急に老け込んだとき。ホルモンバランスの乱れによって感情コントロールが難しいとき。ロマンティックな気持ちになりたいとき。
自律神経の乱れにより神経性の消化不良、腹痛、胃痙攣などに向く。
妊娠中でも妊娠線予防用オイルとして使用できる。ネロリの芳香蒸留水は人気。
感情的に追い詰められ不安定になりやすい人や感受性が豊かな人に向く。ネロリの鎮静作用が働き、セロトニンが分泌されることで安心と平和な気持ちを取り戻せる。またモノテルペン炭化水素類の「元気・幸福感」を与える要素もある。
精油の働き
心へ
1不安、緊張をほぐし、気持ちを落ち着ける。
2 交感神経を鎮め、不眠症を改善する。
体へ
1下痢の症状をやわらげる。
2 血行をよくする。
3 催淫効果がある。
肌へ
1肌に弾力を与え、しわやたるみを防ぐ。
【主な作用】
鎮静、沈痛、鎮痙、ホルモンバランス調整、抗うつ、神経強壮、抗菌、抗真菌、抗ウイルス、抗炎症、細胞成長促進、皮膚軟化
【相性の良い精油】
イランイラン、オレンジ・スイート、コリアンダー、サンダルウッド、ジャスミン、ゼラニウム、パルマローザ、プチグレイン、ベルガモット、ライム、ラベンダー、ローズ、ローズマリー